英語のスピーキング力向上に悩む人は多いです。TOEICのスコアは高くても、実際の会話で言葉が出てこないギャップに苦しむ傾向があります。この記事では、30〜40代の社会人向けに、実践的な英語スピーキング力向上メソッドを紹介します。
記事を読めば、自分に合った効果的な練習方法がわかり、日常的に英語力を鍛える習慣を身に付けることが可能です。英語のスピーキング力を伸ばすには、基礎となる語彙や文法、リスニング力の強化が必要です。実践的なアウトプット訓練を継続し、確実にスピーキング力を向上させましょう。
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英語のスピーキング力が伸び悩む理由

英語のスピーキング力が伸び悩む理由は、以下のとおりです。
- 語彙力と文法力が不足している
- 英語を話す機会が少ない
- 発音やイントネーションに不安がある
- 間違いを恐れる心理的な障壁がある
語彙力と文法力が不足している
語彙と文法は英語力の基礎です。基礎がなければ効果的なコミュニケーションは難しくなります。英語の語彙力不足による問題点は、以下のとおりです。
- 言い換えが困難である
- 専門的な表現が欠如する
- 会話についていけない
- 発言内容を簡略化し過ぎる
基本的な文法ミスが多く、正確な文を作れないことも問題点です。前置詞や冠詞の使い方が定着していない点もよくある問題です。時制の使い分けができないと、会話の流れが混乱します。
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英語を話す機会が少ない
日本国内では日常生活で英語を使う必然性がほとんどないため、学んだ表現を試す場がありません。せっかく覚えた英語表現も、使わなければすぐに忘れてしまいます。英語を話す頻度が低いと、心理的なハードルも高くなります。「間違えたらどうしよう」といった不安から、話す機会を避けてしまう悪循環に陥る傾向です。
日本語しか話さない環境の中でスピーキング力を伸ばすには、意図的に英語を話す場を作り出す工夫が必要です。
発音やイントネーションに不安がある

英語を話す際に、発音やイントネーションに自信がない人は多くいます。発音の問題が生じる主な原因は、日本語と英語の音声体系の違いです。日本語には存在しない「r」と「l」の音の区別は、多くの日本人にとって困難な壁となります。「th」のように日本語にはない子音の発音も、発音を難しくする要因の一つです。
英語特有のリズムやイントネーションは、日本語の平板なリズムとは大きく異なるため、習得に苦労する人が多い傾向です。日本語に比べて英語には母音の種類が多いため、母音を正確に聞き分け、発音することも難しくなります。
» 英語の発音の練習方法をマスターしてネイティブの発音を目指そう!
間違いを恐れる心理的な障壁がある
日本人が英語を話す際、大きな壁となるのが、間違いを指摘されることへの恐怖心です。完璧な英語を話せないと恥ずかしい気持ちが強く、積極的に話すのをためらいがちです。英語力によって周りの評価が下がる可能性がある不安も心理的な抵抗につながります。
日本の英語教育が文法や読解中心で、会話の練習が少ないことも、自信を奪う原因の一つです。過去に英語で恥ずかしい思いをした経験がトラウマとなり、英語を話すことに抵抗を感じる人もいます。
英語のスピーキング力を伸ばす基礎トレーニング

英語のスピーキング力を伸ばす基礎トレーニングは、以下のとおりです。
- 語彙力と文法力を強化する
- リスニング力を強化する
- 音読とシャドーイングをする
- 定期的に英作文を作成する
語彙力と文法力を強化する
英語の語彙力を増やすには、日常生活や英会話で頻繁に使われる基本的な英単語やフレーズを確実に覚えましょう。単語帳やスマートフォンアプリを活用すると、場所を選ばずに効率的に単語学習を進められます。単語を覚える際は、例文と一緒に覚えることを意識しましょう。
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単語が実際にどのように使われるのかを理解すると、記憶に定着しやすくなるためです。自然で流暢な英語を目指すなら、コロケーションの学習が不可欠となります。コロケーションとは、単語と単語の自然な組み合わせのことです。コロケーションを意識することで、よりネイティブに近い表現力を身に付けられます。
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リスニング力を強化する

英語のスピーキング力を向上させるには、リスニング力の強化が不可欠です。耳から入ってくる英語を正確に理解できなければ、適切な応答ができないためです。リスニング力を効果的に高めるには、日常生活の中で英語を聴く機会を意識的に増やすことが重要になります。リスニング力を強化する方法は以下のとおりです。
- 洋楽を聴いたり、洋画を見たりする
- 英語のポッドキャストを活用する
- 海外ニュースを見る
- YouTubeの動画を活用する
最初は字幕を活用しても構いませんが、慣れてきたら字幕なしで聴く練習にステップアップしましょう。聞き取れなかった部分はメモして、後で確認する習慣をつけてください。
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音読とシャドーイングをする
音読とシャドーイングは正しい発音やリズム、イントネーションを身に付けるのに役立ちます。音読は英語の自然なリズムや発音を体に染み込ませる練習法です。毎日10〜15分の短い時間でも継続することで、発話の自然さが向上します。英語を声に出して読むことで、発音を確認しながら練習できるのが特徴です。
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シャドーイングは、ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、0.5〜1秒ほど遅れて発音をまねします。シャドーイングの効果は以下のとおりです。
- 聞く・理解する・話すの同時処理能力を高める
- 自然な発音やイントネーションを習得できる
- リスニング力と発話力の向上が期待できる
初心者は、短いフレーズから始めて徐々に長い文章に挑戦しましょう。シャドーイングが難しい場合は、スクリプトを見ながらのシャドーイングから始めるのもおすすめです。
定期的に英作文を作成する
毎日5分でも英作文に取り組みましょう。短い時間でも毎日続けることで、英語で書く習慣を身に付けることが可能です。英語で日記を書くと、日々の出来事を英語で表現する良い練習になります。週に1回、少し長めの短いエッセイに挑戦することで、文章構成力や表現力の向上が期待できます。
英語でのSNS投稿は、アウトプットの機会を増やし、実践的な英作文能力を養うのに効果的です。書いた英文は必ず見直しましょう。自分で気づける間違いもありますが、より効果を高めるには添削を受けるのがおすすめです。
英作文添削サービスやネイティブスピーカー、英語教師に見てもらうと、自分では気づかない間違いや自然な表現を学べます。
英語のスピーキング力を鍛える実践練習

英語のスピーキング力を鍛える実践的な練習方法は、以下のとおりです。
- 英語での独り言を習慣にする
- ネイティブスピーカーのまねをする
- 言語交換パートナーを見つける
英語での独り言を習慣にする
英語での独り言を習慣にすると、英語で考え、表現する力が自然と身に付きます。最初は少し恥ずかしく感じるかもしれませんが、継続すると大きな効果が期待できます。英語での独り言を習慣化するためのアプローチは、以下のとおりです。
- 朝の準備や料理中、通勤中を活用する
- 簡単な短い文から開始する
- 日々の出来事を英語で振り返る
- 周囲の風景を英語で描写する
- 英語での感情表現を練習する
英語での独り言の練習では、文法的な正確さよりも、止まらずに話し続ける流暢さを優先してください。間違いを恐れずに、英語で表現することが大切です。
ネイティブスピーカーのまねをする

目標とするネイティブスピーカーを選び、発音だけでなく、イントネーションやリズムなど、細かな部分にも意識を向けましょう。気に入ったフレーズや表現を繰り返し練習するのが効果的です。1人のネイティブスピーカーに集中して徹底的にまねましょう。
映画のワンシーンを何度も見てまねしたり、好きなYouTuberの5分程度の動画を集中的に模倣したりするのもおすすめです。毎日10分でも継続することで、発音や表現力が向上します。
言語交換パートナーを見つける
言語交換パートナーを探し、英語を使う機会を定期的に持つことで、学んだ知識を実践的なスキルに変えられます。言語交換パートナーを見つけるには、オンラインとオフラインの両方を活用しましょう。言語交換アプリではTandemやHelloTalk、Speakyなどが人気です。
英会話カフェや国際交流イベント、大学や語学学校の掲示板など、オフラインの場も活用できます。パートナーを見つけた後は、週1〜2回など定期的な会話の機会を設けることが大切です。共通の趣味や関心事について話すと、会話が弾みます。英会話初心者は、質問リストを事前に用意しておくと安心です。
英語のスピーキング力向上に役立つサービス・ツール

英語のスピーキング力向上に役立つサービスやツールは、以下のとおりです。
- オンライン英会話
- 英語スピーキングアプリ
オンライン英会話
オンライン英会話は、自宅や職場からインターネットを通して、マンツーマンで英会話レッスンを受けられます。忙しい人でも隙間時間に受講でき、通学型英会話教室より交通費と移動時間を節約できます。24時間対応のサービスが多く、自分のライフスタイルに合わせたレッスン予約が可能です。
多くのオンライン英会話サービスでは、1回20〜25分程度の短時間レッスンが一般的です。月額制のサブスクリプション型料金体系を採用しているのも特徴となります。月4回で5,000円前後~月無制限で15,000円前後まで、さまざまな価格帯から選択可能です。
自分のおすすめはBizmates。1回25分のレッスンが1日1回受講できます。

英語スピーキングアプリ
近年の英語スピーキングアプリには、英語学習を効果的に進めるための多様な機能が搭載されています。AIを活用した発音矯正機能では、AIがユーザーの発音を分析し、改善をサポートします。AIチャットボット機能も搭載されており、AIを相手に、時間や場所を問わず会話の練習が可能です。
ネイティブスピーカーとのマッチング機能も魅力で、自宅にいながら、ネイティブスピーカーとの実践的な会話練習ができます。マイクロラーニング形式を採用しているため、短時間で集中的に学習でき、忙しい人でも取り組みやすいのが特徴です。
英語のスピーキング力を測定する方法

英語のスピーキング力を測定する方法は以下のとおりです。
- スピーキングテストを受ける
- フィードバックを受ける
スピーキングテストを受ける
スピーキングテストの最大のメリットは、数値化された結果が得られる点にあります。定期的なテスト受験によって、自分の現在のレベルと弱点を正確に把握できます。公式のスピーキングテストの種類は以下のとおりです。
- TOEFLiBT
- IELTS
- TOEICSpeaking
- 英検
ビジネス英語に特化したい場合は、VersantやBulatsなどのビジネス特化型テストも選択肢として考えられます。
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フィードバックを受ける
英会話の定期的なフィードバックを受けると、気づかなかった自分の癖や間違いを発見できます。最も直接的な方法は、英語の先生や英語に堪能な人にフィードバックを求める方法です。客観的に自分の英語力を知るためには、自分の英語を録音して聞いてみるのも役立ちます。
実践的なフィードバックを得たいのであれば、ネイティブスピーカーに協力してもらうのも良い方法です。オンライン英会話を利用すれば、自宅にいながら手軽にフィードバックを受けられます。言語交換アプリを使えば、費用を抑えつつ、多様なバックグラウンドを持つ人と交流しながらフィードバックを得られます。
英語のスピーキング力向上に関するよくある質問

英語のスピーキング力向上に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 社会人から英語のスピーキングを学び始めるのは遅い?
- 英語のスピーキング力はどのくらいで上達する?
- オンライン学習と対面学習のどちらが効果的?
社会人から英語のスピーキングを学び始めるのは遅い?
社会人から英語のスピーキングを学び始めるのは決して遅くありません。「子供の方が言語習得に有利」といった考えがありますが、脳の可塑性(変化する能力)は成人後も十分に維持されています。「クリティカルピリオド」と呼ばれる、言語習得に最適な時期はあります。
クリティカルピリオドが主に影響するのは発音面であり、コミュニケーション能力全体への影響は限定的です。実際に40代や50代から英語学習を始めて流暢に話せるようになった例は数多く存在します。年齢よりも重要なのは、学習へのコミットメントと適切な学習方法です。
効率的な学習方法を選べば、社会人でも短期間での上達が可能になります。
英語のスピーキング力はどのくらいで上達する?

英語のスピーキング力の上達速度は、人によって大きく異なります。初心者が日常会話レベルの英語を話せるようになるには、6か月~1年程度かかるのが一般的です。ビジネスレベルの英語力を身に付けるには、1〜3年程度の継続的な学習が必要になります。
英語のスピーキング力の上達速度に影響する要素は、以下のとおりです。
- 学習の頻度と質
- 学習環境
- モチベーション
- 実践的な使用機会
- 適切なフィードバック
自分の興味のある分野から英語学習を始めると、モチベーションが維持しやすく上達も早い傾向があります。
オンライン学習と対面学習のどちらが効果的?
オンライン学習と対面学習には、それぞれ独自の強みがあります。オンライン学習は時間や場所を選ばず自由に学習でき、通学コストがかからず教材費も比較的安価です。忙しい社会人にとって、通勤時間や昼休み、就寝前など隙間時間を活用できるのは大きなメリットです。
対面学習は、リアルタイムでのフィードバックが得られます。疑問点を直接質問でき、講師の表情や身振り手振りなどの非言語コミュニケーションからも多くを学べます。学習環境の中で、仲間と切磋琢磨できる点も学習意欲を高める要素です。オンライン学習と対面学習を組み合わせたブレンド型学習が最も効果的です。
基礎知識はオンラインで自分のペースで学び、実践的なスキルは対面で磨くといった使い分けができます。
» 英語のコミュニケーション能力を高める練習方法を解説
まとめ

英語のスピーキング力が向上しない原因は、語彙・文法不足や練習機会の少なさ、発音への不安や間違いへの恐怖です。スピーキング力を効果的に伸ばすには、基礎トレーニングと実践練習の両方をバランスよく行うことが重要です。オンライン英会話や専用アプリを活用すると、練習機会を増やせます。
定期的なスピーキングテストとフィードバックで、自分の進捗を確認することも大切です。年齢に関係なく始められるスピーキング学習は、継続的な練習によって着実に上達します。間違いを恐れず、積極的に話す姿勢が上達への近道です。
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