グローバル化が進む現在、英語でのメール対応は避けて通れません。しかし、ビジネス英語特有の表現やフォーマットに戸惑う方も多いのではないでしょうか。この記事では、英語のビジネスメールのフォーマットや例文、注意点、学習方法について解説します。
記事を読めば、自信をもって英語のビジネスメールを作成できます。適切な表現を使い、文化的背景を考慮することで、効果的なコミュニケーションが可能です。

英語のビジネスメールのフォーマット

ビジネスメールを書く際は、正しいフォーマットを使うことが大切です。英語のビジネスメールのフォーマットについて、以下の項目に分けて解説します。
- 件名
- 宛名
- 書き出し
- 用件
- 締めの言葉
- 結語
件名
受信者が開封前に内容を把握できるよう、件名は簡潔に書きましょう。重要度に応じて「Urgent」「Important」などのキーワードを先頭に付けることも有効です。ただし、本当に緊急でない場合は使わないようにしましょう。
質問の場合は「Question about…」と明記すると、相手に回答を促せます。ミーティングの設定なら「Meeting Proposal: July 15th at 2pm」と日時も明記しましょう。
宛名

フォーマルなビジネスメールでは、冒頭に「Dear」を用い、相手の敬称と苗字を組み合わせて書くことが基本です。複数の相手や部署宛にメールを送る場合も冒頭に「Dear」を記載します。記載例は、以下のとおりです。
- Dear Team
- Dear All
- Dear Colleagues
- Dear Marketing Department
カジュアルな関係の場合は、ファーストネームのみを使う場合もあります。初めてのメールでは、相手の正確な名前と綴りを確認しましょう。
書き出し
ビジネスメールの冒頭は、相手に与える印象を左右します。英語のビジネスメールでは、以下の表現が広く使われます。
- I hope this email finds you well
- I am writing to…
- Thank you for your email
- With reference to…
- As discussed…
相手との関係性や連絡の目的によって、適切な書き出しを選びましょう。
用件

英語のビジネスメールでは、簡潔に要件を伝えることが大切です。長々と説明せず、要点を押さえて伝えましょう。1通のメールにつき、1つの主題に絞ることも重要です。複数の内容を詰め込むと、重要な点を見落とす可能性があります。短いパラグラフに分け、重要ポイントを冒頭に記載してください。
締め切りや添付ファイルについては本文で明記し、見落としを防ぎましょう。
締めの言葉
英語のビジネスメールで一般的に使われる締めの言葉は、以下のとおりです。
- Best regards:多くのビジネスシーンで使える万能表現
- Sincerely:フォーマルな場面や初めての相手に最適
- Kind regards:親しみやすい印象を与えたい場合に最適
- Regards:シンプルで汎用性の高い表現
- Yours truly:米国でよく使われる伝統的な表現
依頼メールは「Thank you」や「Thanks in advance」などの感謝の言葉で締めると効果的です。返信を期待する場合は「Looking forward to hearing from you」という表現が役立ちます。締めの言葉は、相手との関係性やメールの目的によって選びましょう。
【シーン別】英語のビジネスメールの例文

以下の9つのシーン別に、英語のビジネスメールの例文を紹介します。
- 挨拶のメール
- アポイントメントのメール
- 日程調整のメール
- 依頼のメール
- 問い合わせのメール
- 報告のメール
- 感謝のメール
- 謝罪のメール
- メールへの返信
挨拶のメール
英語での挨拶メールは、シンプルで好印象な内容にしましょう。挨拶メールを書く際は、冒頭で自己紹介をするとスムーズにやり取りを始められます。「I wanted to introduce myself」という表現を使うと、自然な印象を与えられます。
メールの締めには「I look forward to working with you」などの表現を使うと丁寧です。初回のメールは相手が読みやすい長さにまとめましょう。
アポイントメントのメール

アポイントメントメールの件名は以下の例のように、具体的でわかりやすい内容にしましょう。
「Meeting Request: Marketing Strategy Discussion」
受信者がひと目でメールの内容を理解できることが大切です。日時の提案では、複数の選択肢を提示すると、スムーズに日程調整ができます。メールの締めくくりには、以下のような前向きで丁寧な表現を使うと好印象です。
- 「I look forward to meeting with you」
- 「Thank you for considering my request」
日程調整のメール
日程調整メールを書く際は、相手の時間を尊重しましょう。いきなり日程を指定するのではなく、相手の都合を気にかける言葉から始めてください。候補日を提案する際は、曜日と時間帯をセットで示すとわかりやすいです。タイムゾーンが異なる相手とやり取りする場合は、「日本時間の」といった表記を添えましょう。
提案した日程に、相手の都合が合わない場合もあります。「ご提案の日程がご都合に合わない場合は、代替日をお知らせいただけますと幸いです。」といった一文を加えると親切です。返信期限を伝える際は、押しつけがましくならないよう注意しましょう。
依頼のメール

相手に何かを頼む際には、明確さと丁寧さのバランスが重要です。依頼メールを書く際は、依頼内容を最初に明確に伝えてください。依頼の背景や理由も簡潔に説明すると、理解が深まります。具体的な期限がある場合は、日付を明示しましょう。相手への配慮も忘れてはいけません。
配慮を示す表現として便利な例文は、以下のとおりです。
- 「If it’s not too much trouble」(もしご迷惑でなければ)
- 「I understand you are busy」(お忙しいことは承知しています)
- 「Please let me know if this timeline works for you」(このスケジュールが可能かお知らせください)
最後に感謝の言葉を述べることで、メールの印象が良くなります。「I greatly appreciate your assistance」などの表現を使って、感謝を伝えましょう。
問い合わせのメール
問い合わせメールを書く際、複数の質問がある場合は、箇条書きや番号付きリストを使うと相手に伝わりやすくなります。回答に期限がある場合は、その旨を丁寧に伝えましょう。必要に応じて関連資料を添付したり、自分の連絡先情報を明記したりすることで、スムーズなやり取りが可能になります。
問い合わせメールは単に質問するだけでなく、関係を構築する機会でもあります。専門的かつ丁寧な印象を与える文面を心がけましょう。
報告のメール

英語での報告メールには、定型表現があります。代表的な表現は、以下のとおりです。
- プロジェクト進捗の報告:「I’m writing to update you on the progress of [project name].」
- 月次レポートの提出:「Please find attached the monthly report for [month].」
- 会議結果の共有:「I’d like to share the outcomes of yesterday’s meeting.」
- 売上実績の報告:「I’m pleased to report that we’ve achieved our sales target for Q2.」
- 問題発生の報告:「I regret to inform you that we’ve encountered an issue with [problem].」
- タスクの完了報告:「I’m writing to confirm that I have completed [task].」
報告メールでは、データや数値を含めることで説明に説得力が増します。
感謝のメール
感謝のメールを書く際は、具体的に何に感謝しているかを明確に伝えることが大切です。感謝を伝える言葉として、以下の表現が挙げられます。
- 「Thank you for…」
- 「I appreciate…」
- 「I would like to express my sincere gratitude」(フォーマルな表現)
- 「Thanks a lot」(カジュアルな表現)
- 「Many thanks」(カジュアルな表現)
感謝のメールは長すぎないように簡潔に記載しましょう。
謝罪のメール

英語での謝罪メールは、誠意を伝えつつ簡潔に書くことがポイントです。謝罪の言葉として、以下が挙げられます。
- 「I apologize for…」
- 「I’m sorry for…」
- 「Please accept our sincere apologies for…」(フォーマルな表現)
- 「I’m really sorry about…」(カジュアルな表現)
謝罪メールでは、具体的な問題や失敗の内容を記載し、再発防止策や今後の対応を記載しましょう。原因や理由を説明する際は、言い訳にならないよう、事実を簡潔に伝えましょう。
メールへの返信
ビジネスシーンでメールを受け取ったときは、丁寧かつ適切な返信が求められます。英語でのメール返信に使える便利な例文は、以下のとおりです。
- 相手のメールに対する感謝の言葉:「Thank you for your email」や「I appreciate your message」
- 返信が遅れた場合:「I apologize for my delayed response」
- 肯定的な回答:「I’m pleased to inform you that…」
- 残念ながら応えられない場合:「Unfortunately, I regret to inform you that…」
本文では、返信の目的を明確に伝えましょう。
» シーン別に解説!実用的なビジネス英語の基本・応用フレーズ
英語のビジネスメールを書く際の注意点

英語のビジネスメールを書く際の注意点について、以下に分けて解説します。
- 言い回しや表現方法
- 文化的背景の考慮
言い回しや表現方法
英語のビジネスメールでは、丁寧さと簡潔さのバランスが大切です。英語のビジネスメールでは、以下のポイントに注意しましょう。
- 一文は短くする
- 受動態よりも能動態を使う
- 二重否定を避ける
- 命令調ではなく依頼形を使う
- 略語やスラングは避ける
- 一般的な単語を選ぶ
「Kindly, I would be grateful if」などの敬意を示す表現を適切に使うことも重要です。
» 初心者でも安心!英語文法を効率よくマスターする方法
文化的背景の考慮
ビジネスメールを英語で書く際は、相手の文化的背景を考慮しましょう。文化の違いを無視したメールは、意図せず相手を不快にさせる可能性があります。欧米では、日本のような「察する文化」はあまり通じません。Yes/Noを明確に伝え、曖昧な表現は避けてください。
時差への配慮も大切です。文化的な祝日や休暇シーズンも認識しておきましょう。クリスマスシーズンやラマダン期間中は、簡単な祝意を述べると相手との関係構築に役立ちます。
英語のビジネスメールの学習方法

英語のビジネスメールスキルを向上させるには、以下の方法が効果的です。
- 定型文を覚える
- 参考書籍を活用する
- オンライン添削サービスを利用する
定型文を覚える
英語のビジネスメールスキル向上には定型文の習得が効果的です。カテゴリー別に整理すると、効果的に定型文を覚えられます。多くの場面で活用できる汎用的な表現を優先的に覚えると便利です。自分の業界や職種に特化した定型文も集めておくと役立ちます。
こちらの本もおすすめです。1000問ある例文の中に様々な場面で活用できるフレーズもたくさんあります。何度も読んで自分のものにしましょう。
日常的にやり取りする内容や専門用語を含む表現をリストアップしておけば、メール作成の時間を大幅に短縮できます。定型文は単に覚えるだけでなく、実際に使ってみることが大切です。
» 英単語の覚え方|記憶のメカニズムを理解して効率的に覚えよう!
参考書籍を活用する

英語のビジネスメールを効果的に学ぶためには、質の高い参考書籍を活用することが大切です。ビジネスメール専門の英語参考書を選びましょう。業界別・目的別の例文集が載っている参考書もおすすめです。電子書籍版があれば、検索機能を使って必要な表現をすぐに見つけられます。
参考書籍は読むだけでなく、実践的に使うことで学習効果が高まります。気になったフレーズはメモしておき、実際のメール作成時に参照できるようにしておくと便利です。
» 英語のコミュニケーション能力を高める練習方法を解説
オンライン添削サービスを利用する
オンライン添削サービスを活用することで、ビジネスメールのスキルを効率的に向上できます。プロの目線からフィードバックを得られるので、自分では気づかない間違いや改善点を発見できる点が魅力です。人気のオンライン添削サービスは、以下のとおりです。
- Grammarly:文法ミスを自動修正
- Wordvice:ネイティブスピーカーによる添削
- HiNative:質問に対してネイティブが回答
- Lang-8:無料で添削してもらえるコミュニティ型サービス
- EF English Live:ビジネス英語コースの中でメール添削サービスも利用可能
オンライン英会話サービス「Preply」などでは、レッスンの一環として講師に添削を依頼できます。ビジネスの文脈を説明しながら添削してもらえるので、実践的なアドバイスが得られます。定期的に添削を受けることで自分の弱点パターンを把握できる点もメリットです。
まとめ

英語のビジネスメールを書く際は、構成要素を守ることが重要です。正しいフォーマットを理解し実践することで、ビジネスシーンでの印象が向上します。シーン別の例文を活用することで効率的にメールを作成できます。挨拶やアポイント、日程調整、依頼、問い合わせ、報告など、状況に応じた適切な表現を使い分けましょう。
丁寧な言い回しと文化的背景への配慮は、信頼の構築に欠かせません。英語のビジネスメールのスキル向上のためには、以下の方法がおすすめです。
- 定型文を暗記する
- 参考書籍で基本を学ぶ
- オンライン添削サービスを活用する
継続的に学習することで、英語のビジネスメール作成スキルが上達します。
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